目次
1. はじめに
2. 今日のお寺
〜京都大原に佇むお寺〜
来迎院(らいごういん)(京都大原)
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2-1. あひる如来から一言
よく来たのう。ここは大原の奥にひっそりと佇む、声明の修行場だった尊いお寺じゃ。静けさに包まれて、心がふわりと羽ばたくようじゃろ。
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2-2. あひる如来の大原来迎院解説
ふむふむ、来迎院は平安時代前期、慈覚大師・円仁さまが天台声明の道場として建立したと伝えられておるんじゃ。声明とは仏教のお経を節回しで唱える儀式音楽のようなもので、この里では「魚山声明」と呼ばれておるのう。円仁さまが中国の五台山(魚山)で学んだ流れを引き、大原の地にもその名をもたらしたんじゃな。
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しかし時代とともに衰退し、天仁2年(1109年)には、融通念仏宗の祖・良忍上人がここへ入り、声明を統一し、大原魚山声明の中心道場として再興したのだ。良忍上人は声明の7流派すべてを習得し、大原で大きく体系化したとか。
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ここでは最盛期に49もの子院が並んでおったんじゃ 。その後応永33年(1426年)の大火で多くが焼失してしもうたが、1533年(天文2年)に復興され、今に至るぞ。
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本堂には薬師如来さまを本尊に、阿弥陀如来さま・釈迦如来さまの三尊仏が鎮座し、いずれも藤原期の優美な重要文化財じゃ。さらに国宝の伝教大師度縁案並僧綱牒や「日本霊異記」中・下巻なども伝わっており、文化的価値もたいへん高いのじゃ。
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2-3. 大原来迎院の歴史
来迎院の起源は、円仁さまが承和年間(9世紀中頃)に造営した声明の道場に遡る。円仁さまは唐で得た知識を持ち帰り、日本の天台密教と声明文化を確立した偉大なお方じゃ。その道場が、ゆるやかに衰退していた時期に、袈裟をまとった修行僧たちが静かに声を合わせていたという風情を思うだけで、胸が温かくなるのう。
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やがて1109年、良忍上人が来迎院と浄蓮華院を再建したことで、ここは声明の根本道場となったのじゃ。声明の実践の場として、比叡山から多くの僧侶が学びに訪れ、魚山大原寺と呼ばれるほど発展したのじゃ。最盛期には49の子院があり大変な盛況であったとか。
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しかし1426年の大火でほぼ一帯が焼け落ち、失われた美しい院堂。その後、1533年に本堂が再建され、江戸時代には幕府から朱印状をいただき、安定した寺運を保ったのじゃ。今残る建築も、その時以来のものじゃ。
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現代では、声明発祥の地として、また紅葉など自然に包まれた隠れた名所として知られるようになったのう。
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2-4. 大原来迎院の見どころ
- 天台声明の根本道場 – 醍醐味は声が響く本堂で体感できる静寂と響きの世界
- 三尊仏(薬師・阿弥陀・釈迦)– 藤原時代の名仏で重要文化財
- 良忍上人の三重石塔 – 墓所として鎌倉期の重文
- 国宝・重要文化財の古典籍群 – 伝教大師度縁案や日本霊異記など
- 音無の滝 – 声が滝音に消えるという修行の地として伝説的
- 紅葉の隠れ寺 – 秋の苔庭と紅葉が織りなす風景が美しすぎんのじゃ
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2-5. あひる如来の大原来迎院案内
参道を呂川に沿って300mほど登ると、下界のざわめきがすっと消えて、ここはまるで別世界じゃ。木々の隙間からこぼれる光が心に灯をともし、声明の声が聞こえてきそうじゃのう。
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境内はそれほど広くないが、その静けさは深山のごとく。鐘楼、本堂、三重石塔がしっとりと佇み、音無の滝へ歩けば、滝音と声明の声が一体になるという修行の地ぞ。心が澄んでいく感じ、たまらんのう。
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2-6. 大原来迎院の御朱印
御朱印は本堂にていただけるぞ。スタンプと手書きで「来迎院」と丁寧に書いてくれる。訪れた記念にぜひどうぞじゃ。

2-7. あひる如来のワンポイント
「音無の滝」はただ美しいだけじゃない。声明の声が滝音に消えるまで唱え続けるという、修行の象徴。その姿は「自分の声が消えるほど集中する」ことを教えておるんじゃ。日々の雑念から一歩離れてみると、新しい響きが聞こえてくるものじゃぞ。
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3. 大原来迎院の写真ギャラリー
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4. 大原来迎院の写真その2
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5. 大原来迎院の詳細情報
5-1. お寺の名前
大原来迎院
正式名称:魚山来迎院
5-2. 大原来迎院の宗派
天台宗(延暦寺派)
5-3. 大原来迎院を創建した人や教祖
創建:慈覚大師 円仁(平安前期)
再興・声明統一:聖応大師 良忍上人(1109年)
5-4. 大原来迎院のご本尊
薬師如来(本堂中央)、脇侍に阿弥陀如来・釈迦如来(藤原時代の重要文化財)
5-5. 大原来迎院の住所
京都市左京区大原来迎院町537
5-6. 大原来迎院のアクセスと最寄駅
– 京都バス「大原」バス停から徒歩15分
– 京都駅から:
・バス17・特17で大原行き→「大原」停下車、徒歩15分(約60分)
・タクシー:約50分(混雑により変動)
– 駐車場:あり(数台分、事前確認を推奨)※事前に要確認じゃ。
5-7. 大原来迎院の営業時間
9:00~17:00(年中無休)
5-8. 大原来迎院の料金(拝観料など)
– 大人:400円(5月・11月は宝物展につき500円)
– 団体:大人360円
– 子供料金:明記なし(お寺に確認推奨)
– 障害者割引:明記なし(要確認)
– クレジットカード:不可(現金支払いのみの可能性高し)
5-9. 大原来迎院の公式サイトURLと電話番号
公式サイトURL:
https://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/detail/5561/
電話番号:075‑744‑2161
5-10. あひる如来の補足情報
1月2日には「修正会」(天下泰平・国家安泰祈願の声明法要)が行われ、地元の宮座若衆も参加する。厳かな雰囲気が素晴らしいぞ
秋の紅葉時期(11月上旬~中旬)は特に美しい。境内の苔庭と紅葉が調和し、写真映えもばっちりじゃ
6. 大原来迎院にちなんだ今日の一句
滝こだて
声明と消えて
心澄む
7. あひる如来から最後に一言
ほっこりしたかの?このお寺は、静寂の中で声と響きを感じることで、自分の中の雑念も消えていくような場所なんじゃ。声明の響きに身をゆだね、自然と対話する。そんな時間が旅の宝物になれば、あひる如来はうれしいぞ。気になったら、ぜひ大原にて大きく息を吸ってみるがよい。これにて案内を終わるぞ、またのんびり参ろうのう。
京都・奈良・東京のお寺やカフェ、銭湯を案内しているあひる如来じゃ。今日は大原の奥まった場所にある、ちょっと隠れ家的なお寺を紹介するぞ。ゆるっと読んでもらえると嬉しいのう。ほっこり、ふむふむしちゃってな~。