1. はじめに
2. 今日のお寺
〜お茶を楽しめるお寺〜
宝泉院/京都(大原)
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2-1. あひる如来から一言
よく来たのう。ここはのう、耳をすませば風の音が聞こえる、大原の奥の名刹「宝泉院」じゃ。庭を眺めて一服すれば、心がぽかぽかしてくるぞい。
2-2. あひる如来の宝泉院解説
宝泉院は、京都・大原にある天台宗の寺で、勝林院の塔頭(たっちゅう)として知られておる。塔頭とは、大きな寺の境内にある別院のようなものじゃな。ここ宝泉院は、鎌倉時代・嘉禎年間(1235年〜1238年)に宗快法印によって創建されたと伝わっておるが、一度廃絶したあと、室町時代の元亀年間(1570年頃)に幸淵和尚が再興したんじゃ。
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「宝泉院」の名前になったのは、江戸時代の享保元年(1716年)。それまでの名は「了性坊」と呼ばれておったそうじゃぞ。
このお寺の大きな魅力のひとつが、書院の柱と柱の間から庭園をのぞむ「額縁庭園」じゃ。まるで自然そのものが一枚の絵のように見えるその景色には、ワシも何度も見惚れてしまう。五葉松の見事な枝ぶりもまた見どころじゃ。高さは11メートル、枝の広がりはなんと約37メートルもある。樹齢は700年ともいわれ、京都市の天然記念物に指定されておるのじゃ。
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書院の天井には「血天井」と呼ばれるものが使われておる。これは、かつて伏見城の戦いで自刃した武将たちの床板を供養のために用いたもので、そのまま天井に転用されておる。命のはかなさや、戦の悲劇を静かに語りかけてくる、そんな場所じゃ。
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さらに、宝泉院にはいくつかの美しい庭がある。鶴と亀を模した「鶴亀庭園」、そして現代的な枯山水庭園「宝楽園」じゃ。宝楽園は2005年に作庭されたもので、宇宙や自然の生成、仏の世界を表現しておるというぞい。ここでは石や砂の配置が「はじまり」を感じさせてくれるのう。
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拝観時には、お抹茶とお菓子がついてくるんじゃ。庭を眺めながらの一服は、なんともありがたい時間。忙しい日常の中で、自分を見つめ直すにはぴったりじゃな。
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2-3. 宝泉院の歴史
宝泉院の始まりは、鎌倉時代。嘉禎年間(1235〜1238年)に宗快法印が創建したとされる。はじめは「了性坊」と呼ばれ、声明(しょうみょう)の修行の場としての役割もあったのじゃ。しかし、その後一度廃れてしまうのじゃが、室町時代の元亀年間(1570〜1573年)に幸淵和尚によって再興される。
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その後、江戸時代の享保元年(1716年)に「宝泉院」と改称。江戸中期に書院が再建され、庭園や建物の整備が進められた。現在の額縁庭園や鶴亀庭園もこの頃に形づくられたものじゃろう。
さらに、書院の天井には伏見城の「血天井」が用いられておる。これは、1600年に徳川家康の命で伏見城を守っていた鳥居元忠らが自刃し、その血が染みついた床板を、供養のために天井に用いたものじゃ。こうした歴史の積み重ねが、宝泉院の静けさと深みを生んでおるのじゃな。
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2005年には、現代庭園「宝楽園」が加わる。長野の庭師・山岸万多朗氏が手がけたもので、仏教の宇宙観、そして命の始まりと終わりを表現した庭じゃ。古と今とが響き合う、そんな不思議な空間がここにはあるぞ。
2-4. 宝泉院の見どころ
- 額縁庭園(盤桓園)… 書院の柱と柱の間から眺める、自然そのものの絵画。
- 樹齢700年の五葉松… 天然記念物であり、近江富士を模した形じゃ。
- 血天井… 伏見城の戦死者たちを弔う天井板。無常を感じる空間。
- 鶴亀庭園… 長寿や吉祥を表す鶴と亀の姿が庭に表現されておる。
- 宝楽園… 現代の枯山水庭園。宇宙や仏の世界を感じられるぞ。
- お抹茶とお菓子… 拝観料に含まれており、庭を眺めながらほっこりできる。
2-5. あひる如来の宝泉院案内
ワシがおすすめする順番はこうじゃ。まずは書院に腰をかけて、額縁庭園「盤桓園」をじっくり眺める。心がほどけるぞい。
次に鶴亀庭園で吉兆を味わい、血天井で命の尊さに思いを馳せるのじゃ。そして最後に宝楽園で、宇宙のはじまりを体感するのじゃな。お抹茶を飲みながら、それぞれの庭の静けさを噛みしめてほしいのう。
2-6. 宝泉院の御朱印
御朱印もいただけるぞ。丁寧に記された墨文字と朱印には、旅の思い出とともに、ありがたみが詰まっておる。旅の記念や、心のご褒美にもぴったりじゃ。

2-7. あひる如来のワンポイント
「今ここにいること」を大切にするのが仏教の教え。宝泉院の庭を眺めながら過ごすそのひとときが、まさに「今ここ」なのじゃ。ほっと息をついて、心を洗いにきてほしいのう。
3. 宝泉院の写真ギャラリー
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4. 宝泉院の詳細情報
4-1. お寺の名前
宝泉院
(正式名称:宝泉院)
4-2. 宝泉院の宗派
天台宗
4-3. 宝泉院を創建した人や教祖
宗快法印(鎌倉時代・嘉禎年間)
4-4. 宝泉院のご本尊
阿弥陀如来
4-5. 宝泉院の住所
〒601-1241 京都府京都市左京区大原勝林院町187
4-6. 宝泉院のアクセスと最寄駅
● 京都駅から:市バス17系統で約1時間「大原」下車 徒歩約15分
● 奈良駅から:近鉄・地下鉄・市バスを利用して約2時間15分+徒歩15分
● 東京駅から:新幹線+バスで約4時間半
● 駐車場:なし(近隣に有料駐車場あり)
4-7. 宝泉院の営業時間
9:00~17:00(最終受付16:30)
4-8. 宝泉院の料金(拝観料など)
● 大人:900円
● 中高生:800円
● 小学生:700円
● 団体(30名以上):1割引
● 障がい者割引:あり(詳細は要確認)
● クレジットカード:利用不可(現金のみ)
4-9. 宝泉院の公式サイトURLと電話番号
公式サイトURL
http://www.hosenin.net/
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/宝泉院
電話番号
075-744-2409
4-10. あひる如来の補足情報
おすすめの時期は春と秋。新緑や紅葉の時期には、庭園がまるで別世界になるのじゃ。朝いちばんに行けば、観光客も少なくて、静寂をひとりじめできるぞい。
5. 宝泉院にちなんだ今日の一句
静けさに
包まれながら
松しなる
光と風が
心を撫でる
6. あひる如来から最後に一言(ほっこりしたまとめ)
ふむふむ、宝泉院はいかがじゃったかの?庭と向き合うだけで、心がしん…と整うのじゃ。忙しさで疲れたとき、ここを思い出してみるとよいぞ。ではでは、また次の旅でお会いしよう。ほっこりしたかの?それなら、ワシはうれしいぞ。
京都・奈良・東京のお寺やカフェ、銭湯を案内しておる、あひる如来じゃよ。今回は、大原の山里にたたずむ静寂の寺「宝泉院」を訪ねてみようぞ。自然と心がほどける、そんなひとときを一緒に楽しむのじゃ。